Bowery Blue Makers

2018.01.19

6年もの間、買い付けの道中に探し続けていたデニムブランド。
究極なところ501で全てが足りてしまっていたから、どれだけオリジナリティがあろうが、どれだけ501に近いディテールがあろうが、やる意味を見出せずに今日もまた501に足を通す。
ただもう新鮮味がないです。やばやばな年代物の501を見つけても、昔ほどは驚かないし、それを身につけた自分に大きな変化や成長を与えてくれるとはもう思えない。
それでもForever standardに嘘はなく、これからもきっと良い玉があれば蒐集し続けるし、販売もすることでしょう。

この度新たにお取り扱いするデニムメーカーはMade in New York。
変化と成長。そして夢中でどっぷりやり込めるスペシャルなクオリティ。
vintage denimに理解と夢を持つ方ほど、心酔できるのではないでしょうか。

Bowery Blue Makers HANDMADE IN NEW YORK

よく出くわすローカルアーティストによるざっくばらんなスタジオとは異なり、見るからにハイエンドでセキュリティがしっかりしているビルディングにアトリエを構えるdenim Artist Mr.Echigoya。
デニム工房ならではな汗っぽさや土っぽさを全く感じさせない、なんというかギャラリー的な佇まい。
この場所で型紙から縫製まで全ての工程をたった一人で手がけています。

今から約80~100年前のジーンズに大きな影響を受けたEchigoya氏。
当時の資料を時間をかけて可能な限り集め、その時代のデニムを作るプロジェクトとして昨年始動しました。
これはよくあるレプリカとはまた主旨が異なります。

岡山県井ノ原市にて引退間近の75歳の職人が、古い時代のシャトル力織機で織った、ルーズでバルキーなデニム。
それをまるで手縫いのような80~100年前のシャトルを用いたSINGER中心のミシンで1本1本製作されています。

そして使用される全ての道具は、目指す年代のジーンズとなんと同じ時代に作られたもの。そこまでやるかアンビリーバボー。
徹底的にHeritage finish。当然一本一本の仕上がりは不揃いに。

「手織機に近いシャトルを使った力織機で作られたデニムを組み上げるには、やはり手織に近いシャトルを用いたミシンで縫うのが自然。ムラのあるデニムに適正で均一なテンションをかけて縫うことができるから。これは効率や均一、強度を求めるマスプダクトには向かないけれど、機械化という最大公約数の仕事に消された本来のモノの姿を再現することになる。メンテナンスしながら使用するボロボロのミシンは、凹凸のあるデニムをしっかりと締めて縫うことが出来ることや、昔ながらのステッチの特有の癖を表現できます」
と熱く解説するEchigoya氏。
一通り自己紹介的な説明が済んだところで、香ばしいトークが始まりました。
「〇〇年製でこの色は見たことない」とか「レアミシン」とか、コレクタブルな嗜好品としての魅力を鼻息荒く語る語る。なんだかこっちのパートの方が力を入れているというか、Bowery Blueの真髄というか。
真剣な表情で「このミシンはこのテーブルにセットしなくちゃいけないんですよ。これがヤバイ」って言うんだけど、それ作りに影響出るのかなって。
そう、正真正銘のオタク。コレクタータイプですね。レア物の蒐集に全力。

絶対この人じゃなきゃだめだ、って惚れた理由の全てはここですね。
多分日本にも古いミシンを使用してデニムを作る人はある程度いると思うんですよ。
でも何故彼かって、いちいち時代考証とか、道具の収集癖とか、一見商品のヴィジュアルには繋がりづらい部分での圧倒的なやり込みなんですよね。むしろメインが逆転してるパターン。
そりゃあギャラリー化しちゃって、その筋の人達の観光名所にもなりますわ。

ただ、そういうところだと思うんです、これからの時代で光る人とモノって。
彼も言っていたけど、”隙のない物作り”ばかりがひしめき合うことでしょうからね、この先。
プロセスは必要だけど、ある種実は全く要らない。
ちなみに彼のような替えが効かないセンスをいち早く見抜いたのはなんとCHROME HEARTS。
遡ること20数年前、CHROME HEARTSの初めてのデニムの製作はなんと彼が担当していたのです。
ひょえーって感じ。
そしてまさに明日、New York TimesでBowery Blue Makersが掲載されるようです。インタビュー形式で。
これは実際にあの場所に行って実際に話した私にしか分からないことかもしれないけど、圧倒的に抜けてる。頭いくつも抜けたところにいる人ですよ彼。たまたま作っているのがデニムなだけで、何をやらせても同じポジションにまでイケる、化け物タイプの人ですね。心底惚れた。

話が逸れました。
第一弾はBowery Blue Makersの代名詞的モデルをベースにビスポークオーダー。
やり方としてはビスポーク扱いになるのですが、内容としてはカスタムって感じですかね。
Bowery Blue Makers
1909s singer #31-xx
1926s singer #44-xx
circa 1900s singer #22wxx
circa 1900s singer #22wxx
1926s singer #81xx
1935s singer #69-sv-xx
1935s singer #147-xx
REECE 101
1950’s Union Special 43200G
Limited Edition 30
w30 w32 w34
JPY 72,900-(intax)

モデルは1920~1930’sのイメージで、シンチバックに加えサスペンダーボタンも付属。
ずっと憧れだったバックポケットのリベット(リベットを打つマシーンまで当時物を使用していました)。まさかこんな形でデビューするとは。
クー。Holy graill。
そして本来リーバイス社ではイエローのステッチ部分はBoweryの場合もっと濃いゴールドよりのイエロー。
さらに股上も深く、onzも14とリーバイスよりも深く厚い。
本家を凌ぐずっしりと重々しい表情ですよ。すごい存在感。
上に記載されている数々のミシンによりこの1本が形成されています。

新品時は勿論のり付き。縮率は縦10%横3%。
レングスは全てのwに対して32でセットしていますが、股上が深いせいかとてもとても長く感じますね。
まず洗ってガス式乾燥機で50分。いや、生地が厚いため60分。
必ずギュンギュンに縮めてから裾を上げてください。

しかし。上に記載したミシンのモデルで1950’s Union Special 43200G”ってあると思うんだけど、これは当時のリーバイス社で実際に使用されていた裾のステッチ専用機らしいんですよね。
デザイナーも「実際は年代が合わないからあれなんだけど、裾だけはリーバイスと同じにしたくて」って。結構思い入れがあるっぽいんですよ。
非常に勿体無いけど、私は切った、躊躇なく。

ちなみにこれが分かりやすいシルエット。左の方ね。
見ての通り股上が深く、裾に向かってズン。
厳密に言えば今回のモデルとは仕様が異なるのですが、ご参考までに。

これは飾ってあった、未洗いで1年経過したもの。写真だと分かりづらいんだけど、かなりヴィンテージ感が強かった。今まで見たどの新品の経年変化よりも。
まだ始動したばかりだし、まだ限られた人にしか行き渡ってないから経年変化の前例がなかったのが唯一の不安要素だったんですよ。これは期待大。やり込むぞー。
雰囲気があって格好良いんだけど、正直異臭がした。デザイナーも触りたくないって言ってたし。
でもバキバキにアタリやヒゲが入る風貌には憧れますからね。なるべくwashを控えめにして付きっていこうかなと。

ちなみに私はw34。レングスはクッションしないギリの長さでカットしています。
結構太いですから、慣れるまで少々違和感がありましたが気に入っています。
古いデニムに慣れている方は分かると思うんだけど、サイズに関してはルールはないですからね。
太くても、レングスをスパッと合わせてあげることで決してだらしなくは見えないし。

ご紹介は以上になります。
一応通信販売も承っております。ご希望の方はメールでご連絡ください。
atelier.ishizaki@gmail.com

説明がやたらと長くなりましたが、いやー最高です。
こういう仕事を長く続けているとマヒして心の底から物欲が暴走することって滅多になくなるんだけど、今年はもうこういうモノしかやりたくないです。