VESTIGE
12月19日20日(14-18時)でLEVER「VESTIGE」のオーダー会を開催します。
初日の14-15時の一時間だけはデザイナーの橋本さんも来てくれます。当日はサイズサンプルもございます(ようやく)ので、是非ご参加くださいませ。
メールでもオーダーが可能です。気になる方はお問い合わせください。
靴のお写真と橋本さんのインタビューを掲載します。ご参考までに。
石崎:ご無沙汰してます。
橋本:ご無沙汰です。
石崎:最近はどんな感じですか?
橋本:変わらず日々忙しい感じですね。
石崎:本職が?ロブの仕事は変わらずですか?
橋本:はい。お陰様で向こうのロックダウンでの影響なく送っていただけてます。
石崎:そうですか。はい、さてSCALEに続く新型ですが、このモデル、まずどういったものでしょうか。
橋本:通称アデレイドと呼ばれるスタイルですが、このデザインは「ホールカットオックスレイドアンダーフェイシングスブローグド」とか「ホールカットブローグオックスホースシューフェイシングス」と呼ばれるんですね。
石崎:長い長い、横文字が長い(笑)
橋本:はい。それでその中のHorse shoe=蹄鉄ってとこが好きでして。そしてこのスタイルは〇〇というメゾンの〇〇さんが開発したと聞き、なるほどあの偉大な〇〇さんの名残かー、と。
石崎:偉大な人の名残。それは以前小山さんも似たようなこと言ってたな。名残をデザインに取り入れるって、意思を継いでる感じでロマンがありますね。
橋本:いや、結局その話ガセだったんすよ。
石崎:あ、そうなの(笑)
橋本:そう。ガセだけど名残、要は何かの跡、そして蹄鉄は足跡。そういうことです。あとなんとなく今回は「V」から始めたかった。
石崎:なんか相変わらずでホッとします。全体の雰囲気は相変わらずお堅目のザ正統派に見えます。教科書通りというか。
橋本:教科書。あぁそうですか。
石崎:え、なんですか?
橋本:いや、教科書読んだことないんで(笑)
石崎:はい、そうですか。大丈夫です。いや、あくまで印象の話です。僕の感想です感想。
橋本:ちゃんとされてる方々に囲まれてるだけです。
石崎:了解です。いやぁブローグがコテコテですね。ギザギザも。指切れそう。
橋本:今回のようなブローグと呼ばれるものはツー・ワンと大小交互のもので、それにギザが付くことは一般的です。VESTIGEはセミブローグというスタイルで、他にクォーターブローグやフルブローグの状態の場合それぞれのスタイルによってキャップ、ウイング、フェイシング周りやヴァンプ、トップライン、カウンター、要は各々のスタイルによって切り返しがあるところそれぞれに穴飾り&ギザのコンビがルール、というより基本なんです。ただ実際多種多様過ぎて、例えば僕のいるビスポーク畑ではこちらからの提案とともにお客様がディテールを決めることも多々あるので、中にはギザ無し穴飾りオンリーもありますし。キャップのメダリオンのデザインももちろん様々です。
石崎:穴とギザをどう配置していくかでシャープにも、逆に古臭くも見えそうですね。あとね、上からと横から、いや斜めからのフォルムが違って見えます。上からはシュッ。斜めからはゴロン。
橋本:同感です。アデレイド特有のフェイシングの切り返しの影響とシューレースホールの幅感だと思います。VESTIGEはエロくないです。良い意味で。
石崎:ああそれ分かります。今までで一番古臭いかも。同じく良い意味で。
橋本:そんな感じですね。
石崎:あ、ヒールの内側が斜めに下りてますね。ここかっこいい。普通は垂直ですかね?
橋本:いわゆる既成靴や昔のハンドの靴の場合真っ直ぐが多いかもですね。ただ僕の見る限り、そして作る限り若干斜めの方が綺麗だと思ってます。細かく言うと、僕はアウトが斜め、インが真っ直ぐ気味な斜めが好きです。もはや作り手の好みかと。
石崎:革は引き続きワインハイマーですか?
橋本:ワインハイマーです。
石崎:あと今回のソールのウエストがすごい。楽器みたいな丸味。
橋本:うん、ここは拘り…いや、拘り?はい拘りですね。
石崎:うん、大丈夫です。他に解説いただけることはありませんか?
橋本:LEVERとしてのクオリティの維持のための拘りについてはテクニカルなこともありますので細かいことは控えさせていただきますが、質実剛健、良い意味での芋臭さ、僕の細かい依頼を形に落とし込んでくれる素晴らしい職人達と最高の結果に向けて全力で取り組ませていただきました。
石崎:わぁすごい。タラタラ言語化しないといけないのが基本な時代にさ、このね、「全力でやってます」っていう心の声が良いですよね。僕は一番響く。ありがとうございます。
橋本:ありがとうございます。
石崎:さて何に合わせようかな。
橋本:なんでしょうね。そういうのは分かりません。
石崎:今から15年くらい前の話なんですけどね、当時通っていた古着屋さんのお兄さんがいつも黒いアデレイドに薄色の517を穿いてましてね。それがすごく大人っぽく見えた。で、今回の話があってそれを思い出しまして。やってみようかな。
橋本:デニムで考えてるところが嬉しいです。
石崎:最後に、今年はどんな一年でしたか?
橋本:世相としてもプライベートとしても、経験という意味では大きい一年だったと思います。
石崎:来年の活動も楽しみにしています。ありがとうございました。
橋本:こちらこそ。ありがとうございました。