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2020.11.23

これまで10年の間、アテリエというお店を運営してきました。コンセプトは至ってシンプルで、自分が格好良いと思うファッションを買い付け、提案することです。それはたとえ名が浸透していなくとも、良いものは良いという定義で、その時代時代の瞬間で輝くものであれば御構い無しに引っ張ってくるという、昔から当店を知っている方からすれば分かると思いますが、けっこう強引なやり方であったはずです。そういう買い付けの仕方が時にインパクトに繋がり、有難いことになんとなくですけどお店としてのポジションを手にできたように感じています。
近年はプライベートセラーという個人店のさらに個人をイメージした運営の仕方で、お店以外でも一人のお客様のために遠方まで打ち合わせに行ったり、その方が求めているアイテムを形にするべく製作者を探したり、よりパーソナルなことにも実践する活動へとシフトしました。

そして今年に入り、丁度10年経ったことを実感し、色々頭の中で自分を整理してみました。結果、セレクトショップとしての運営はしばらく辞めようと思うに至りました。理由は言葉にしづらいですが、以前よりプロダクトアウトに甘さを感じていたことが原因です。披露するフォーマットが商品とその作者の世界観に正しい形でリンクしていないということです。そうは思いながらも、でも格好良いもんは格好良いのだから問題なしと深く考えないようにしていたのですが、たまにやっぱり釣り合ってないなと頭を過ぎるんですね。

今年は海外に行けない代わりに国内をなるべく見て回るようにしていまして、中でも美術館を訪れることが多く、これまであまり接点がなかった世界に身を置く方々ともお話しをする機会が増えました。確かに思い返せばこの数年は外国に行っても洋服屋さんにはあまり行かずギャラリーにばかり足を運んでいました。そして9月、以前よりファンだった外国の作家さんの作品が日本のギャラリーで展示販売されると聞き、見に行ったんですね。そしてスタッフの方に接客され、作品を購入しました。その時、これほんとに本当の話なんですけど、購入までの流れの説明を受けながら作品がリストされてるシートをパラパラと見ていたら、掲載されてる壺の写真が、一瞬Noriyuki Misawaの靴に見えたんですね。で、頭の中でこれまで作ってきたパズルがカシャカシャと音を立てて組み変わって、あぁこれじゃん!と。それから全部がクリアにやっと見えるようになってきて、友達に相談したりしながら新しい形式を毎日想像しました。

今のお店の解約届はすでに申請していまして、セレクトショップ ATELIER HISTORIC INSTRUMENTSの活動は12月の営業を最後とさせていただきます。
小さなお店でも自分の世界しか詰まっていない場所を持つというのは特別なことです。好きが高じた究極の形とも言えるでしょう。しかしそこへはまた戻りたいときに戻れればいいのかなと今は思います。

2021年1月、ギャラリーを南青山にオープンします。
イメージとしては展覧会のような形式で、クラフトマンやアーティストの製作を制作することが次の私の役目です。(正直ファッションと芸術を‏くっつけて考えたことがないので「ギャラリー」と言い切ってしまうかどうかはとても悩みました)

現在、そのようなフォーマットだから許可が降りることもあるんだな、といきなり実感しています。でもちゃんとステップバイステップでその一段を噛み締めながら、また山道を楽しんだり地獄を見たりできたら良いなと思っています。

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