Pigu

2019.08.23
Interview

インタビュー第4回目のゲストはTENBOXのPiguさんです。世界を旅しながら創作を続ける姿に憧れを抱くファンが多く、今やどこの国に行っても声をかけられるまでに。そんなカリスマが貫く独自の生き方について、お話を聞いてみました。

石崎 : ご無沙汰してます。いや、そうでもないか。最近はどちらに行かれてたんでしたっけ?

Pigu ポルトガルです。ポルトガル、めちゃくちゃいいですよ。たぶん今までイチですね。

石崎 物価が日本に近いって聞いたことがある。

Pigu 物価安いですね。ユーロだからあれだけど、それでも食事とか安いし、超うまいし。また行って今度は買い付けしようと思いましたね。

石崎 : 何をですか?

Pigu かごバッグ。

石崎 あーはいはい。

Pigu あとあれがよかったですよ。ビーチ。映画みたいなビーチがいっぱいあるんですよ。超ちっちゃいのが。ヌーディストビーチも沢山ある。

石崎 そのヌーディストビーチっていうのはみんな裸んぼなんですか?

Pigu そうです。

石崎 裸じゃないと入れない?

Pigu 入れないです。簡単にふらっと行けるヌーディストビーチもあれば、僕、一箇所、本当に狭いところを(腕を広げて)こうやって降りて行くようなところに1人で行ったんですよね。

石崎 : タイミング的にいつ脱いでるんですか?

Pigu 入ってからです。

石崎 : そうなんだ。Piguさんってほぼ毎月というか、ほとんど外国にいるじゃないですか。この前も聞いたかもしれないですけど、純粋に旅として行っているのか、仕事として行っているのかどちらですか?

Pigu どっちもですね。遊ぶのが仕事なんで。

石崎 : 多分僕とPiguさんってファッションというくくりの中で見たら全然違うタイプだと思うんです。でもこれは以前に書いたんですけど、クラス一のオタクと、クラス一の人気者が仲良くなったみたいな感じが面白くて。うちでやらせていただくアイテムっていうのはTENBOXの通常ラインより辛口な部分もあり、でもATELIERからするとラフな感じに見えてって、その感じが気に入ってるんです。合ってますかね?

Pigu : 合ってます。

石崎 :よかった。ところでLovely Dayって、最近Tシャツにも書いてるのはどういうところから出てきた言葉なんですか?

Pigu えっと、アメリカ横断した時に、ゴール地点のNYで入ったタイ料理屋さんがLovely Dayっていう名前で、そこがすごい美味しかったっていうのがきっかけ。そこのお店、友達のアートが店内に飾られてたりとかすごく縁を感じて。そしてあとはまぁフレーズがいいなーと思って。TENBOXのスローガンとして使いたいなと思って始めたんです。それから旅をして、ああ今日もすごくいい日だったなー今日もLovely Dayだったなぁって。すごくしっくりくるワードだったんですよね。

石崎 もしかしたら外国人は意外とよく使ってる言葉なんですかね。

Pigu どうなんですかね。単純に響きもいいし、意味もしっくりくるし。

石崎 : あとは字体もすごくいい。あ、話変わりますけど、先日朝5時くらいまで飲みましたが、ちゃんと帰れました?

Pigu 帰れました。普段めったに飲まないんですけどね。楽しかったです。

石崎 : 4軒くらい行ったのかな。

Pigu : 8時間飲んでました。

石崎 途中六本木にいたんですけど、ピグさんここ似合うんじゃないかなって、ハードロックカフェに行ったんですよね。その時、実現できるかはさておき、ここ貸し切ってイベントやりたいねって話しで盛り上がりましたよね。

Pigu : 楽しそうです。

石崎 架空のロックバンドのグッズを作ろうって。

Pigu : 開催もクリスマスっていうのがすごくよかったんですけどね。ただ出来るかは分かりませんが。

石崎 : さて、次はどこ行くんですか?アメリカですか?

Pigu : 多分バリ行くすね。全然サーフィンしてなくて。サーフィンしに行きたくて。ポルトガルもあんまりできなかったんですよね。波がなくて。

石崎 サーフィン。前に波の話ししてくれたじゃないですか。ビーチによって全然違うよって。ポルトガルはサーフィンあまり盛んじゃないんですか?

Pigu 盛んですよ。盛んですけど、カリフォルニアとか、オーストラリアとかハワイみたいにコンスタントに波があるわけじゃないので、サーフトリップにはなかなか選ばない場所なんですよね。ただナザルっていうポイントがあって、そこは30フィート、100メートルの波がふいに来ちゃうんですよね。その世界最大の波にアメリカ人が乗ったという記録的な場所なんですけど、そこは見られてよかったですね。

石崎 : Piguさんって、普通に考えたら夢のような生活を送ってますよね。旅をしながらデザインをして、そういう趣味も活かせるという。そういうの目標にしている人多いと思うんですよね。憧れの生き方の一つというか。

Pigu 相当犠牲にしてますけどね。

石崎 何を犠牲にしてるんですか?

Pigu 家族ですよね。会ってないですからね。

石崎 それ書いて大丈夫なんですかね。

Pigu 大丈夫ですよ。家族はインスタにはでてなくて。家族いる感消してるんで。

石崎 お子さんもいらっしゃるっていうのは前から知ってますけど、実はパパだという事実を感じさせないのには秘訣があるんですか? 

Pigu いや、ただインスタグラムに載せてないだけですよ。

石崎 パパ感が、ない。

Pigu 出さないようにしてます。

石崎 : TENBOXって、いきなり出てきてウワーってなって、こんなことあり?っていうか、もちろんデザインが好きでっていう人も多いと思うんですけど、それよりももしかしたらPiguさんという存在が良い意味で全てをぐちゃぐちゃにしてるっていうか。とにかく、すごい人出てきたなって思ったんですよ。

Pigu いやいや全然です。うれしいですけど。

石崎 : TENBOXは今後も今までと変わらないスタンスでやっていくんですか?

Pigu それ、カオリさんともよくしゃべってるんです。僕、半期に一度のインラインを出す時がやっぱり緊張するんですよね。毎回。そこが核になってるので。そこがちゃんとしないと生活ができなくなります。毎回心配してます。でももしダメになったとしても、僕は借金をして今の生活をずっとすると思いますよ。それは絶対に崩さないですね。

石崎 確かにその旅って、海外旅行って目で見ちゃうと、お金がかかったりちゃんと事前にスケジューリングしないといけないことが多いじゃないですか。でもピグさんの場合、冒険というかアドベンチャーというか、本来海外旅行に必要なものが不要だったりするから、それでもできちゃうかもしれないですね。

Pigu : そして絶対にアイディア出ますからね。

石崎 降り待ち。降臨待ち。と僕も呼んでます。はい、出ますよね。

Pigu 東京にいてTENBOXに活かせるアイディア出たことないですからね。だから無理矢理にでも行く。

石崎 前回はポルトガルでしたけど、アメリカとか、この2年でいったい何日間いたっちゅう話ですよね。

Pigu そうですね。かなりの日数ですよね。

石崎 : Piguさんとはロスで会うことの方が多かったですもんね。行ったら、あ、いる。みたいな。

Pigu アメリカは秋に納品があるから絶対に行かなきゃなんですけど、しばらくはもう行かないっすね。それより他のとこ。次どこ行こうかな。

石崎 気持ちとしてはアメリカはひと段落したから次はヨーロッパみたいな?

Pigu ヨーロッパとも限らないですけどね。南米でもアジアでもいいし。

石崎 インスタの写真見てると、なんか初めはユニークな人がかっこいいTシャツ着てるなって感じだったですけど、その着てる人がどんどん外国の人のようになって、しかもすごいローカルな雰囲気で、ピグさんからリアルな向こうの日常を感じたんですよ。最近はもう象とかラクダとか乗ってるじゃないですか。あれはもう人が真似できないというか。ピグさん行くとこまで行っちゃったなって。

Pigu それはすごいあるっすね。今の僕のスタイルがこれなんです。その前までのことはもう知っちゃったから。それ以外のことでもっと民族的な、とか、アドベンチャーな、とか思ってやってて。実際、象に乗るときにファニーパック持つよりもドラッグディーラーシャツ着る方が楽だったとか、ファッションから離れて旅人に移っている感じはあるっすね。

石崎 洋服と人の一体感を感じるようになりましたね。そういえば僕は最近はあまりやれてないですけど、昔は外国とか行ってここでBLOGの写真撮ろうってロケーションを探しに探してたんですけど、要はそれが広告用の写真になるわけじゃないですか。すごい時間かかりません?

Pigu かかりますよね。

石崎 ですよね。何気ないショットに見えても。ワンコンセプト何枚くらい撮るんですか?

Pigu んーまぁでも30は絶対に撮る。100枚撮るときもあるけど。

石崎 それはコンセプトを初めに決めるんですか?こういうところで撮ろうとか。

Pigu いや、それはないですね。服ありきの旅ではないので。旅ありきの服だから。旅をしに行ったときに、じゃあここでこれを撮ろうかとか、その場その場ですね。

石崎 なるほど。たぶん根本的な部分では近い部分があるっていうか、僕はこうなりたかったっていうのを前に伝えたじゃないですか。本当はピグさんみたいなことになるはずだったんですよ。

Pigu : ははは(笑)。なんか俺、今、Y’sさんとコラボしてるじゃないですか。僕の好きなヨシダナギさん、写真家の。あの人もすげー旅してるんですけど、ずっとヨージヤマモトとかY’sしか着てないんですよ。黒いの。そういうのもいいなーと思って。旅するからつって山登るみたいな格好じゃなくてもね。今回、ポルトガルとトルコも毎日この靴はいてて。楽なんですよね。スニーカーと違って裸足で履いても蒸れないし、すごい実は旅に適してて、ちゃんとこういう風にファッションを楽しんでいけたらなと。

石崎 ロケーションありきの格好じゃなくてどこ行っても自分は自分じゃないですけど、そうなっていくとどこ行っても風景と同化するというか。

Pigu :この靴、トルコの10リラ入れたんですよ。

石崎 あー本当だ。コインローファーなだけに。でもこういう本質を突くような行為って外国にいるときに閃いたりしますよね。閃くというか実践してみたくなるというか。日本にいるとああでもないこうでもないって、工夫する癖がついてしまって、結局本質からは離れてしまうことが多い。でも実は単純明快で、結局ストレートな方が自分には合っていたりする。

Pigu : ですね。

石崎 : さて今回、Piguさんからベルトで”Lovely Day”っていうお題をもらって、僕の方でデザインを考えてみました。スタッズベルト以外の選択肢がなかったんですけど、これで合ってましたか?(笑)

Pigu はい、いいですよね。可愛いワードにハードなバランス。

石崎 ブラックやブラウンの革でやっちゃうと雰囲気が堅くなっちゃってLovely Dayが愛を運ばなくなっちゃうんで(笑)。いっそのこと透明かなと。

Pigu : ただ通すとき若干手間ですよね。スタッズがバックルに引っかかって。

石崎 : オシッコした後しっかり見ないと止められないです。コンパクトなバックルをつけたかったのでそこは大目に見てください。

Pigu 相当イケてると思いますよ。相当。

石崎 : さてそろそろお時間です。最後の質問なんですけど、あなたにとって〇〇とは?って毎回皆さまに尋ねるのですが、ピグさんの場合は洋服作りとはなんですか?という質問じゃないかなと思って。なのでPiguさんにとって、”旅”とは?

Pigu んー、TENBOX。

石崎 TENBOX。

Pigu はい。

石崎 全てってことですね。

Pigu 旅=TENBOX。それが本当に全てなんですよね。全ての経験がそこ。やっぱ友達とかもそこからつながってるし。あとは知らないことが超いっぱいあるなって思っちゃいますよね。それがワクワクさせる。

石崎 なるほど。   

Pigu : この間、闘牛見たんですよ。超いいじゃんと思って。でも知ってました?最後、牛殺すんですよ。途中から隙を見て刺すんですよね。牛が血を吐いて最後には馬に引っ張られて行っちゃうんです。それがエグすぎてバルセロナでは廃止になってて。僕は本当に無知で、ストーリーにアップしちゃったんです。悲しいシーンは映ってないけどすぐに視聴できなくなっちゃって。単純にかっけーなって思っただけだったんだけど、嫌な思いさせたなぁと思いました。

石崎 確かに知らないことはいっぱいある。それを知ることもまた旅ですよね。そしてTENBOXがまたひとつ成長すると。ありがとうございました。

Pigu : ありがとうございました。

 

MORE